空き家3000万円控除の確認書 申請と提出の手順
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導入
相続した家屋や土地を売り、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例がある。国税庁が案内する「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」である。この特例を確定申告で使うには、確定申告書に一定の書類を添える必要がある。その中に「被相続人居住用家屋等確認書」という書類がある。これは売った資産の所在地を管轄する市区町村長から交付を受ける書類である。本記事では、この確認書がどのような場面で必要になり、確定申告までにどう手続きを進めればよいかを、国税庁の一次情報にもとづき整理する。結論から言うと、確認書の様式や申請窓口の細部は市区町村ごとに異なる可能性があるため、実際の申請前に所在地の市区町村へ確認する作業が欠かせない。
結論:何をすればよいか
- 特例の対象要件(家屋・敷地・売却方法・期限・金額)を先に確認する。
- 売却のパターン(家屋ごと売る、取壊し後に敷地を売る、譲渡後に耐震改修・取壊しをする)を特定する。
- パターンに応じた必要書類を揃える。
- 「被相続人居住用家屋等確認書」を、売った資産の所在地を管轄する市区町村に申請して交付を受ける。
- 確定申告書に必要書類を添えて、所轄税務署に提出する。
必要なもの
- 確定申告書
- 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]
- 売った資産の登記事項証明書等(相続または遺贈による取得の事実、昭和56年5月31日以前の建築、区分所有建物登記でないことを示すもの)
- 被相続人居住用家屋等確認書(市区町村長交付)
- 耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し(家屋を売る場合、または譲渡後に耐震改修した場合)
- 売買契約書の写しなど、売却代金が1億円以下であることを明らかにするもの
- 「譲渡所得の特例の適用を受ける場合の不動産に係る不動産番号等の明細書」(登記事項証明書の添付を省略する場合)
手順
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家屋・敷地が特例の対象になるか確認する。 昭和56年5月31日以前に建築、区分所有建物登記でない、相続直前に被相続人以外の居住者がいなかったこと、の3要件をすべて満たすかを見る。 ここでのつまずき:老人ホーム等に入所していた場合は「特定事由」による別の要件があり、本記事の一次情報だけでは判定しきれない。国税庁の別ページ(コード3307)や税務署への確認が必要。
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売却のパターンを特定する。 イ:家屋または家屋と敷地をそのまま売る(耐震基準を満たす必要あり)。ロ:家屋を取り壊してから敷地を売る。ハ:譲渡の翌年2月15日までに耐震改修または取壊しを行う(令和6年1月1日以後の譲渡に限る)。 ここでのつまずき:どのパターンかによって必要書類と確認書の記載事項が変わる。売却契約を結ぶ前にパターンを決めておかないと、後から書類の追加取得が必要になる。
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耐震基準や取壊しの状態を整える。 パターンイなら譲渡時点で耐震基準を満たす必要がある。パターンハなら譲渡の翌年2月15日までに耐震改修か取壊しを終える必要がある。 ここでのつまずき:耐震基準適合証明書は「譲渡の日前2年以内に証明のための調査が終了している」ものに限られる。古い証明書は使えない。
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被相続人居住用家屋等確認書を市区町村に申請する。 この確認書は、売った資産の所在地を管轄する市区町村長が、被相続人が居住していたこと、相続後に事業用・貸付用・居住用に供されていないことなどを確認して交付する書類である。 ここでのつまずき:申請書の様式、必要な添付資料、申請から交付までの日数、窓口名(資産税課など)は、一次情報には具体的な記載がない。確定申告の提出期限に間に合わせるため、早めに所在地の市区町村へ直接問い合わせる必要がある。
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確定申告に必要な書類一式を揃える。 パターンごとに必要書類が異なる。家屋ごと売る場合は、内訳書・登記事項証明書等・確認書・耐震基準適合証明書等・売買契約書の写し。取壊し後に敷地を売る場合は、内訳書・登記事項証明書等・売買契約書の写し・確認書(取壊しの事実を含む記載)。 ここでのつまずき:登記事項証明書は添付を省略できるが、その場合は「不動産番号等の明細書」に不動産番号を記載する必要がある。省略の条件を誤解すると添付漏れになる。
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確定申告書を所轄税務署に提出する。 申告先は所轄税務署である。 ここでのつまずき:提出先を売却物件の所在地の税務署と混同しやすいが、所轄は申告者本人の納税地を管轄する税務署になる点は、通常の所得税申告と同じ扱いであることを確認する。
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期限を確認する。 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要がある。 ここでのつまずき:期限を過ぎてから売却契約を結ぶと特例が使えなくなる。売却活動は早めに始める必要がある。
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売却代金1億円以下の判定を確認する。 自分の売却分だけでなく、同じ家屋・敷地を分割して売った部分や他の相続人が売った部分も合算して1億円以下かを判定する。 ここでのつまずき:確定申告時点では1億円以下でも、その後3年以内に他の相続人が残りを売って合計が1億円を超えると、その売却日から4か月以内に修正申告と納税が必要になる。申告後も他の相続人の売却動向を把握しておく必要がある。
よくあるつまずきと対処
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確認書の交付に時間がかかり、確定申告期限に間に合わない。 対処:売却が決まった時点、または売却活動を始めた時点で、早めに所在地の市区町村へ申請の要否と所要日数を問い合わせる。
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登記事項証明書の添付を省略したつもりが、明細書への不動産番号記載を忘れている。 対処:省略する場合は「譲渡所得の特例の適用を受ける場合の不動産に係る不動産番号等の明細書」を必ず用意し、不動産番号を記載する。
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耐震基準適合証明書の調査時期が古く、要件を満たさない。 対処:譲渡の日前2年以内に調査が終了している証明書か、建設住宅性能評価書の写しかを確認してから取得する。
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他の特例(取得費の特例、収用等の特別控除など)とこの特例を重複適用しようとしてしまう。 対処:売った家屋や敷地について他の特例の適用を受けていないことが要件になっているため、申告前にどの特例を使うかを一本化する。
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親族間売買であることに気づかず進めてしまう。 対処:親子や夫婦、生計を一にする親族、売却後に同居する親族などへの売却は対象外となるため、売却相手が「特別の関係がある人」に該当しないかを事前に確認する。
提出・完了後の確認
確定申告書を所轄税務署に提出したら、控えに収受印(または受付日時)が記録されていることを確認する。e-Taxで提出した場合は、受信通知で受付が完了したことを確認する。添付書類に不備があると、税務署から連絡が来ることがあるため、提出後もしばらくは連絡を受けられる状態にしておく。売却代金の1億円判定については、申告した年の12月31日から起算して、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、他の相続人の売却動向を確認し続ける必要がある。合計額が1億円を超えた場合は、その売却の日から4か月以内に修正申告書の提出と納税を行う必要がある点を、申告後の予定として押さえておく。
制度や手順は変更されることがあります。実行前に必ず提供元の公式情報をご確認ください。
空き家3000万円控除 確認書申請&確定申告チェックリスト
確認書の申請前に確認すべき要件、パターン別の必要書類、確定申告直前の最終確認をひとつのチェックリストにまとめた。市区町村への問い合わせ項目と記入例つきで、書類の抜け漏れによる申告のやり直しを防ぐ。
ここまでの手順を、そのまま実行できる形にしたものです。チェックリストと記入例が入っています(空き家-3000万円控除-確認書-申請方法.xlsx, 空き家-3000万円控除-確認書-申請方法.pdf)。
ダウンロード 980円(税込)関連する手順
出典
- 国税庁(確認日 2026-09-26)
- 国土交通省(確認日 2026-09-26)
- 法務省(確認日 2026-09-26)
- No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁(確認日 2026-09-26)
- 世田谷区公式ホームページ(確認日 2026-09-26)
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制度や手順は変更されることがあります。実行前に必ず提供元の公式情報をご確認ください。